消化器外科は診療科目のなかでも、注目度の高い転職先の一つです。 消化器外科では、口から肛門までの消化管から肝臓や膵臓などの内臓までと診療部位が広いため、幅広い知識が求められます。 また、消化器外科ではがん患者の比率が高いことが特徴です。 では、看護師が消化器外科へ転職することで得られるメリットやデメリットとは何なのでしょうか。
目次
看護師が消化器外科へ転職するメリット
消化器外科は看護師の転職先としてもよく候補に挙がる診療科です。
消化器外科への転職をする上で、どのようなメリットを得られるかについて把握しておきましょう。
広く深い知識を学べる
冒頭でお伝えしたように、消化器外科では消化管や内臓などを総合的に診療します。
そのため、腹部の全般的な解剖学的知識はもちろん、疾患や治療法までを幅広く学ぶことができます。
また、消化器外科では最先端の医療技術や機器が導入される機会も多く、専門的な看護スキルを身につけられるといったメリットもあります。
生体維持に欠かせない消化器についての専門的な知識を身につけておくことで、将来的に他診療科へ転職しても対応できる看護スキルが身につくのです。
患者と個別にしっかりと関わることができる
消化器外科では、患者の術前の食事管理や検査などから、術後の内視鏡検査や経過観察などの一連の流れをしっかりと見届けることができます。
1人の患者の経過を経時的に追えるので、看護師としての経験値が高くなることがメリットとして挙げられるでしょう。
また、入院から退院までを追うなかで、「患者を治すことができた」という実感を持ちやすく、それがやりがいとして感じられる看護師もいるようです。
「がん」についての高度なスキルを身につけられる
日本人の2人に1人は生涯で一度はがんを罹患すると言われるように、多くの患者ががんに苦しめられています。
そして、がんは消化器に発生することが多いため、必然的に消化器外科にがん患者が集まりやすいといった特徴があります。
そのため、がんの最新診療にかかわることができるのがメリットです。
特にがん看護の専門看護師を取得したい人にとっては、消化器外科への転職が近道となることでしょう。
がんの看護スキルは、将来的に他診療科に転職する際にも優遇される可能性が高いです。
スキルアップやキャリアアップを目指す看護師にとって、消化器外科への転職は大きなきっかけとなります。
看護師が消化器外科へ転職するデメリット
看護スキルの向上やキャリア形成のためには、消化器外科への転職は非常に有用です。
しかし、デメリットを把握せずに転職してしまうと、後悔してしまうことになるかもしれません。
ここでは、消化器外科へ転職するデメリットについて見ていきましょう。
業務内容の負担が大きい
消化器外科への転職では、激務に耐える覚悟が求められます。
今や国民病と言われるがんは、患者数が非常に多く、当然ながら業務がとても忙しいのはイメージできることでしょう。
また、がん患者以外でも消化器疾患は多岐に渡るため、臨機応変な業務をこなさなければなりません。
肉体的な負担が大きいだけでなく、末期がんの患者やストーマとなった患者に対しての精神的なケアなど、デリケートな対応も求められます。
「ゆとりを持って働きたい」と考えている看護師にとっては、このようなハードな看護業務はデメリットとなるでしょう。
死に直面する辛さも
消化器外科では、患者の死に立ち会う頻度が高くなります。
特に若くして亡くなっていく患者の看取りやその家族のケアなどは、例え経験を積んだ看護師であってもショックが大きいものです。
ほとんどの看護師は患者の死に直面した経験を持っているものの、それでも精神的に耐えきれないほどのストレスがかかります。
消化器外科への転職では精神的な面においても強い覚悟が求められるのです。
消化器外科への転職で気を付けること
消化器外科は業務内容がハードであることから看護師の入れ替わりも激しく、慢性的に人手不足です。
しかし、転職の難易度が募集先によって大きく変わることに注意しなければなりません。
募集先でも、消化器外科未経験を受け入れるところもあれば、がん看護経験が必須なところもあるなど、募集条件が大きく違います。
そのため、消化器外科への転職を成功させるには募集条件をしっかりと確認し、自分が転職できる職場を見つけ出さなければなりません。
たくさんの求人案件のなかから自分に合った転職先をスムーズに見つけるためには、転職サイトを有効活用するようにしましょう。
転職サイトでは、条件を絞り込んで検索したり転職コンサルタントに情報を提供してもらったりすることができます。
自身が応募できる募集先をいくつか提示してもらった上で、希望条件に合った転職先をスムーズに選ぶことも可能です。
転職サイトを利用すれば、現在の職場で働きながら転職活動をすることが可能になります。
後悔しない転職のためにも、転職サイトを上手に活用するようにしましょう。