看護師がケアマネージャーになるには?
目次
ケアマネージャーとは?ケアマネの仕事内容について
ケアマネージャーとは、医療と福祉をつなぐ専門家だと言えるでしょう。
日常的に介護を必要とする人が「その人らしい生活を送る」ためのお手伝いをすることが、ケアマネージャーの仕事です。
ケアマネージャーの仕事内容は、大きく以下の3つに分けられます。
- 要介護者に対してのアセスメント
- ケアプランの立案・作成
- モニタリングと再アセスメント
要介護者に対してのアセスメント
ケアマネージャーの仕事は、要介護となっている人の情報を集めるところから始まります。
要介護者(対象者)のニーズ、介護度・身体機能、家族の状況、住宅環境など要介護者や周囲の環境についてできるだけ詳細な情報をヒアリングします。
情報収集後は、これらの情報や利用できる介護保険料の限度額を踏まえた上で、利用できる介護サービスや社会資源を探すことになります。
ケアプランの立案・作成
ケアプランの立案や作成は、ケアマネージャーにとって最も重要な仕事と言っても過言ではありません。
なぜなら、ケアプランの作成はケアマネージャーだけが遂行できる仕事だからです。
ケアプランの立案・作成の段階では、アセスメントで得た情報や利用できる介護サービスなどを元に、介護サービス計画書を作成します。
要介護者の人が「その人らしい生活を送る」ための介護目標や、具体的な介護サービスの内容、介護サービスの頻度などを計画書として書類におこします。
モニタリングと再アセスメント
立案・作成したケアプランが実際に「正しく行われているか」をモニタリングし、「その人にとって最適な介護サービスか」を再アセスメントします。
そして、モニタリングや再アセスメントの結果、ケアプランを継続するか、変更・修正するかを検討します。
その後も、施設入居の要介護者であれば施設へ出向いたり、在宅の場合は介護サービスについてのヒアリングをしたりといった対応を続けていきます。
このような繰り返しによって、要介護となっている人の生活をより良くしていくことがケアマネージャーの役割です。
ケアマネージャーになる方法とは
スキルアップやキャリアアップとしてケアマネージャーになるためには、介護支援専門員資格を取得することが必要です。
介護支援専門員資格を取得するための流れは以下となります。
1.(看護師の場合)看護師として5年以上の勤務経験
2.介護支援専門員実務研修受講試験(実技試験)に合格
3.介護支援専門員認定試験(筆記試験)に合格
4.介護支援専門員実務研修(15日間)を修了
まず、前提として5年以上の看護師常勤経験が必要となります。
その上で、介護支援専門員の認定試験を受験申請し、実技試験に合格後、筆記試験に合格する必要があります。
そして、15日間の実務研修を受講して初めてケアマネージャーとなることができるのです。
ケアマネージャーは難関資格であり、平成28年度の試験合格率は13.1%となっています。
そのため、働きながら実技試験対策や筆記試験の勉強をすることとなります。
さらに試験合格後の実務研修においても、割り当てられた15日間は休まずに受講しなければなりません。
ケアマネージャーになるためには、職場の理解や協力は欠かせないと言えるでしょう。
ケアマネージャー資格を取得する際の注意点
ケアマネージャー資格を取得することで、看護師としてのスキルアップやキャリアアップには必ず良い影響があるでしょう。
仮にケアマネージャーとして働く選択肢を取らないとしても、自身の看護師としての価値を高める材料となるはずです。
しかし、ケアマネージャー資格を取っても資格手当がつかない職場が多くあることに注意しなければなりません。
「キャリアアップ=収入アップ」と考えている看護師にとっては、ケアマネージャーになることでメリットを得られない可能性があるのです。
そのため、資格取得の前には「ケアマネージャー資格で手当てがつくのか」を確認しておくことが好ましいでしょう。
もし、ケアマネージャー資格を最大限キャリアアップに役立てたいのであれば、転職サイトを利用することをおすすめします。
ケアマネージャー資格の取得について評価したり、収入を上げたりしてくれる職場はたくさんあります。
特に介護・福祉分野はケアマネージャー資格を所有する看護師の需要が高く、好待遇で迎えてくれる可能性が高いでしょう。
ケアマネージャー資格の取得をきっかけに、介護・福祉分野や、地域ケア分野に転職することも考えてみましょう。