看護師が美容クリニックで働くと?
目次
医師が不在の施設への転職
ここで記述している脱毛サロンの定義として、医師が不在のエステサロンは除きます。
本来は医療行為とは医師だけが行えるものです。ですが現実には永久脱毛を全面に打ち出した医師のいないエステサロンも多く存在しています。
医療行為ではないとする根拠は、脱毛に使用するレーザーの出力を弱めていることあるようですが、日本医師会からの医師法違反の警告を何度も受けています。
そのようなエステサロンへの転職は、看護師資格は不要で、看護師資格を活かさない一般職への転職となるため、ここでは除外して説明します。
病院勤務との働き方の違いとは
病院で勤務するのと脱毛サロンや美容クリニックで勤務するのとの大きな違いは、病院では患者に接するのに対し、脱毛サロンや美容クリニックには疾病を抱えた患者が来るのではなく、健康な人だけが訪れるということです。
つまり病院では患者の命にかかわるかもしれない疾病を治療しますが、脱毛サロンや美容クリニックでは命にかかわることがないのです。
そのことは看護師にとってプレッシャーやストレスの軽減になります。**夜勤はなく、二交代制や三交代制などの辛い勤務はありません。
完全週休二日制になり、祝日も休むことができます。**これらが病院と脱毛サロンや美容クリニックの大きな違いになっています。
脱毛クリニックや美容クリニックの給与は?
脱毛サロンや美容クリニックの給与は、病院の給与とは少し異なってきます。
脱毛サロンや美容クリニックを訪れる人は、基本的に疾病ではありません。そのため健康保険の適用外になり、自費で施術を受けることになります。
料金体系も施設によってまちまちです。それらが影響して、脱毛サロンや美容クリニックに勤務する看護師の給与は一般的な医療施設と比較すると高めに設定されています。
脱毛クリニックや美容クリニックの看護師に求められるもの
脱毛クリニックや美容クリニックは医療機関ではなく、どちらかというとサービス業に分類される職業です。
つまり訪れるのは患者ではなく、お客様になります。
このような施設が看護師に求める要素はどのようなものでしょう。
接客サービス精神
訪れるのがお客様なので、看護技術より接客サービスが求められるようになります。
どんな無理や難題を言われても笑顔で接しなくてはなりません。お客様が不快に感じないようコミュニケーションできる必要があります。
比較的若い看護師
脱毛クリニックや美容クリニックでは、比較的若い20代の看護師を求める傾向にあります。
また看護師経験は2年から3年程度の人を採用する傾向があります。
これは、医療施設の慣習に染まらず、ある程度の知識もあること、そして脱毛クリニックや美容クリニックの環境に順応しやすいことが背景にあります。
常にキレイでいられる人
脱毛クリニックや美容クリニックを訪れる人は美しさを求めてくるわけです。
その対応をする人があまりに太っていたり、清潔感がないと説得力に欠けると判断させるのかもしれません。絶対条件ではないでしょうが、このような傾向があることも知っておいて下さい。
医療機関の看護師に戻ることは難しい
脱毛クリニックや美容クリニックで勤務することは、看護師としての知識や技術をベースにして、サービス業に従事するということです。
医療施設で働くこととは違った立ち位置になります。
そのため脱毛クリニックや美容クリニックで長く勤務すると、医療看護師としての立ち位置が分からなくなってしまいます。
また医療技術は日々進歩していますので、医療看護師としての知識や経験はどんどん時代遅れのものになっていきます。脱毛クリニックや美容クリニックに長く勤務すればするほど、医療施設に戻ることは難しくなるのです。
労働条件や収入だけで判断しないことが大切
脱毛クリニックや美容クリニックへの転職は、医療施設に勤務するより休みも多く、給与が上がるケースもあるでしょう。
しかしながら上記のように独特の苦労もあり、長く勤務すると医療施設に戻りづらくなってしまいます。労働条件や収入などだけで簡単に判断するのではなく、これらのことを十分理解したうえで転職活動をおこなってください。