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看護師が緩和ケア病棟へ転職する場合のメリット・デメリット

看護師が緩和ケア病棟へ転職する場合のメリット・デメリット

転職を検討している看護師で、緩和ケアへ興味を持つ人は少なくありません。 病気を治療するのではなく、症状を緩和させることで「その人らしい過ごし方」を尊重する緩和ケアへの転職は、今後の看護師人生にも大きな影響を与えるでしょう。 今回は、看護師が緩和ケア病棟(ホスピス)へ転職することで得られるメリットやデメリット、転職での注意点について解説します。

看護師が緩和ケア病棟へ転職するメリット

看護師が緩和ケア病棟へ転職することで得られるメリットは以下のとおりです。

  • 個別的な看護ケアを行える
  • 他職種連携やチーム医療を経験できる
  • キャリアアップのきっかけとなる

個別的な看護ケアを行える

緩和ケア病棟への転職を希望する動機として、「個別的な看護ケアを行える」ことが挙げられることが多いです。

緩和ケア病棟は、主に終末期のがん患者を対象にしており、一人ひとりのQOLを高く保つことを何よりも尊重しています。

他の患者への悪影響や、健康を著しく阻害するようなニーズでなければ、基本的にはすべての希望に応えるケア方針を取ります。

そういった点では、どの診療科や領域よりも患者と個別的に関われるのが緩和ケア病棟であると言えるでしょう。

他職種連携やチーム医療を経験できる

緩和ケア病棟では、施設によっての特色はあるものの、どの施設でも最大限に苦痛を取り除くことを目指します。

患者のQOLを最大限に高めるために、医師や看護師だけでなく、リハビリスタッフや臨床心理士、鍼灸師、薬剤師、音楽療法士やアニマルセラピストなど、あらゆる職種の職員が在籍しています。

患者やその家族のニーズを中心に据えて、それを叶えるために全職種のスタッフがケアを行うといった、チーム医療の本質を学ぶことができるでしょう。

患者一人ひとりに合わせたケアを行うために、スタッフ間のコミュニケーションや意見交換、カンファレンスなども頻繁に行われ、他職種連携について深く経験できることが、緩和ケア病棟の魅力です。

キャリアアップのきっかけとなる

緩和ケア病棟の業務内容は落ち着いて行えることが多いですが、一つひとつのケアの質はとても高いものです。

そのため、スキルアップやキャリアアップを目指すといった点でもメリットがあります。

実際に、認定看護師を取得するために実務経験をすることが求められる分野には、「がん化学療法看護」や「がん性疼痛看護」があり、緩和ケア病棟に勤務する認定看護師は多くいます。

また、専門看護師を取得する上で経験しなければならない分野である「がん看護」について学ぶ機会が多いのも、緩和ケア病棟の特徴です。

看護師が緩和ケア病棟へ転職するデメリット

ここまでで緩和ケア病棟へ転職するメリットを挙げてきましたが、転職前にはデメリットについても知っておかなければなりません。

一般病棟や他診療科とは働き方や雰囲気が大きく異なるため、実際に緩和ケア病棟で働くなかで「こんなはずではなかった...」と感じてしまうリスクがあります。

ここでは、緩和ケア病棟への転職で生じるデメリットを見ていきましょう。

精神的な負担がとても大きい

緩和ケア病棟は、治療ではなく緩和を目指す施設です。

そのため、基本的には入院・入所している患者を看取ることになります。

看護師の経験が積み重なるにつれて、患者の死に直面する機会は増えますが、決して慣れるものではありません。

特に緩和ケア病棟では、患者一人ひとりと深いコミュニケーションを取ることとなり、関係性が深まるほど、亡くなった際のショックも大きくなることでしょう。

また悲しみのなかで、患者の家族のメンタルケアをすることが求められるため、看護師は精神的なタフさが必要です。

一般病棟とはまた違った死への向き合い方に、戸惑ったりショックを受け止めきれなかったりする看護師もいるようです。

患者を良くすることはできない

緩和ケア病棟では、死を受け入れた末期がんの患者がケアの対象となります。

患者は死を受け入れた上で質の高い生活を送るために入院され、スタッフは痛みやその他の症状を緩和することに全力を尽くすこととなります。

しかし、どの患者も本当は生きたいと願っており、その家族も同じ思いを抱いています。

緩和ケア病棟で看護師として働くなかで、「私には患者を良くすることができない」「命を救えない」といったもどかしさを感じたり、悩んだりする場合もあるようです。

もちろん緩和ケア病棟へ転職する上で、病気を治療するのではなく緩和ケアに意味を見出している人がほとんどでしょう。

しかし、そのような看護師でも悩みを抱えてしまうケースがあるため、緩和ケア病棟への転職前には今一度覚悟をしておくことが求められます。

緩和ケア病棟へ転職する際の注意点

今回ご紹介したメリットやデメリットを踏まえた上で、「緩和ケア病棟に転職したい」と考える看護師が、注意しなければならないことがあります。

それは、緩和ケア病棟の求人案件はとても少ないことです。

緩和ケア病棟では、総合的に看護できるような高い看護スキルや、精神的に患者とその家族を支えられるコミュニケーション力が必要です。

そのため、一般病棟での看護スキルや実績を積んだ看護師が、同じ法人内の緩和ケア病棟へ異動する、といった流れが一般的となります。

緩和ケア病棟へ直接転職するのは非常に難しいため、まずは緩和ケア病棟のある施設へ転職した後に異動を目指すことも検討するべきです。

また、緩和ケア病棟への転職では、転職サイトを利用することが効果的です。

転職サイトでは、数少ない緩和ケア病棟の求人案件を効率的に探すことができます。

転職サイトに在籍するコンサルタントが募集先に交渉することで、緩和ケア病棟への転職の成功率を高めたり、異動を前提とした転職条件を設定したりできます。

もし緩和ケア病棟への転職を希望するのであれば、一度転職サイトに相談することをおすすめします。