歯科・口腔外科へ転職する看護師はあまり多くなく、転職後のイメージを持ちにくいかもしれません。 歯科・口腔外科は歯科医師や歯科衛生士が主に施術にかかわりますが、看護師の求人案件もあります。 難易度の高い親知らずの抜歯を始め、口腔・顎周囲の疾患や外傷、腫瘍などに対処するのが歯科・口腔外科です。 また、歯科・口腔外科には、歯科治療が中心のところと口腔外科の手術を中心にしているところがあり、それによって勤務体系も看護師の役割も違ってきます。 ここでは、歯科治療が中心の歯科・口腔外科へ看護師が転職する場合のメリットやデメリットについて、業務内容の全体像を見ながらご紹介していきます。

歯科・口腔外科へ転職するメリット

看護師が歯科・口腔外科へ転職するメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。

転職をする際に知っておくべきメリットについてご紹介します。

歯科治療中心のところは夜勤・残業なし

歯科治療が中心の歯科・口腔外科では、夜勤や残業を求められません。

一般病院に勤務する看護師にとって、夜勤や残業がないことはとても大きいメリットでしょう。

病院でも患者は混合病棟に入院するため、看護師は基本的に日勤・定時で退社することができます。

業務内容としてもあらかじめ予約が入っている患者の対応となり、容態の急変やオンコール対応などのイレギュラーが起こりにくいのです。

歯科治療が中心の歯科・口腔外科への転職では、安定した勤務体系のなかで働くことができるのがメリットです。

ただし、入院設備のあるクリニックや口腔外科手術中心の大病院での勤務では夜勤が発生しますので、夜勤・残業無しの条件を優先して転職先を探している人は注意が必要です。

専門的な知識を身につけられる

歯科・口腔外科では、口腔内の施術は歯科医師や歯科衛生士が行います。

そのため、看護師は直接的な看護ケアは行わないものの、それらをサポートするような働き方となります。

看護師としてのスキルは発揮しにくいかもしれませんが、一般的な看護師が身につけられない知識を習得できるのがメリットだと言えるでしょう。

特に歯周病ケアの知識などは日常生活でも生かせるので、役立つことが多いようです。

現状では、歯科・口腔外科で働く看護師は多くはありませんが、その分専門性をしっかりと高めることで将来的に貴重な人材になれるでしょう。

看護師が歯科・口腔外科へ転職するデメリット

歯科・口腔外科へ転職した看護師が持つ悩みとして、共通していることを挙げていきます。

歯科・口腔外科への転職を失敗しないために、デメリットも知っておきましょう。

看護師としてのスキルを発揮しにくい

歯科・口腔外科では、先ほどもお伝えしたように歯科医師や歯科衛生士が活躍しています。

看護師は口腔内の直接的なケアを行うことができないため、そこにもどかしさを感じたり、疎外感を持ってしまう人もいるようです。

場合によっては、クリニックの受け付けや電話応対をすることもあり、看護師としてのやりがいを感じ辛いことがデメリットと言えるでしょう。

「医療的な看護スキルを活かした働き方をしたい」と希望する看護師にとっては、あまり適した職場とは言えないかもしれません。

口腔外科手術中心の歯科・口腔外科への転職を考えた方が良いでしょう。

歯科衛生士とのトラブルも

歯科・口腔外科では、歯科衛生士と看護師の業務がしっかりと分担されていないところも多く、そのことからトラブルとなってしまうことがあるようです。

歯科衛生士と看護師の線引きが明確でないため、あやふやな業務となってしまう可能性があるのがデメリットとして挙げられます。

また、施設によっては、看護師としてではなく歯科助手として業務にあたることを求められるケースもあります。

もちろん看護師として検査用の採血をしたり、バイタルサインを担当したりするなど、役割を持って活躍している看護師もいます。

転職を検討する際には、歯科衛生士との役割分担が明確であるかを確認しておくことが望ましいでしょう。

歯科・口腔外科への転職は難しい？

歯科・口腔外科へ転職する看護師の数は多くありません。

求人案件は存在しますが、そもそも歯科・口腔外科は大学病院や大規模病院に設置されていることが多く、求人は希少だと言えます。

クリニックの求人案件も少数ありますが、パートやアルバイトとしての採用条件であることがほとんどで、正社員としての転職を目指すには工夫が必要です。

忙しい看護師が働きながら自分一人で転職先を探すのは現実的ではありませんので、歯科・口腔外科への転職を目指すのであれば、転職サイトの利用をおすすめします。

転職サイトでは、あらかじめ希望を伝えておけば、希望する条件に合った歯科・口腔外科の求人が登録されたらすぐに連絡をしてもらうことができるのです。

求人案件が少ない歯科・口腔外科のような場合、絶えず求人情報にアンテナを張っておくことと、募集が出たらすぐに応募できるようにしておくことが大切です。

歯科・口腔外科への転職を成功させるためには、転職サイトの利用は欠かせないと言えるでしょう。