転職を考える看護師が転職サイトを利用する際には、個人情報や経歴、希望条件などを登録してから、自分で転職サイトの求人情報を検索したり、コンサルタントから条件が合致する求人情報の連絡があったりするのが通常です。 しかしこれ以外に、求人募集している医療機関などから直接連絡が入る、スカウトサービスを実施している転職サイトもあります。 スカウトサービスとはどのようなもので、どんなメリットやデメリットがあるのかなど、詳しくご紹介しましょう。

スカウトサービス利用の流れと特徴

スカウトサービスに登録すると、登録者の個人情報を除いた、経歴や希望条件などが看護師を求めている医療機関などの人事担当者によって検索・閲覧できるようになります。

医療機関などが求めている看護師像と合致していた場合には、直接登録者に連絡できる仕組みになっています。

連絡を受けた登録者が、その医療機関に関心があれば返信し、面接などに進んでいくことになります。

スカウトサービスは、転職サイトのサービスの一つとして運営されています。

スカウトサービスを利用するメリット

転職サイトの通常の利用方法とは異なるスカウトサービスですが、わざわざこのようなサービスを展開しているのには、何かメリットがあるのでしょうか。

基本情報は理解されているため採用確立が高い

スカウトの連絡があったということは、医療機関は登録者の経歴や就業にあたっての希望条件など、基本情報を理解したうえで連絡してきているわけです。

すなわち、医療機関は登録者に対して必要な人材であると認識しているのです。

そのため登録者が掲載されている求人情報に応募する、一般的な求職活動よりも採用に至る可能性が高いと言えます。

細かな勤務条件の交渉がしやすくなる

連絡をしてきた医療機関は、登録者は自分たちの施設に必要な人材だと理解しています。

そのため通常の求職活動では言いづらい条件交渉も、スカウトサービスであれば、登録時に記載できなかった細かな勤務条件の交渉がやりやすくなります。

もちろん交渉しやすいからと言って、成立するかどうかは別ですが、交渉できたことはそれなりに納得できるのではないでしょうか。

看護師市場での自分の位置付けが把握できる

スカウトの連絡があれば必ず採用されるわけではありませんが、スカウト連絡をしてくる医療機関には必ず何らかの傾向があるはずです。

その傾向を見ていると、看護師の転職市場の中で、自分がどのような位置付けなのかを理解できるはずです。

それが分かれば、通常の転職サイトの求人情報に応募する際にも活用でき、転職を有利に運べるはずです。

スカウトサービスを利用するデメリット

良いことばかりに感じるスカウトサービスですが、デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

スカウトがうれしくてじっくり吟味しない危険がある

スカウトの連絡は、医療機関などが登録者に興味があることの証です。

そのため連絡があっただけでうれしくなってしまい、採用条件などを詳しく見ずに承諾してしまうケースもあります。

通常、医療機関は登録者の希望条件などを確認して、条件が合致した場合のみ連絡してくることがほとんどです。

しかし中には希望条件に合致しないスカウト連絡もあるので、注意しましょう。

勤務条件は合致しても環境が悪い職場もある

スカウトの連絡をしてくる医療機関の中には、看護師不足が深刻で、仕方なく給与面や待遇などの勤務条件を希望に合わせてくるところもあります。

このような場合、条件は合致していても実際の職場環境が悪く、看護師が長続きしないなどのケースが多く、注意が必要です。

スカウトであっても通常の転職と同様に、職場環境は必ずチェックするようにしましょう。

スカウトサービスを使いこなすために

スカウトサービスは非常に有効な転職活動ですが、注意しなければならない点もあります。

医療機関の情報や求人情報、職場環境は忘れずにしっかりとチェックすれば、デメリットは十分カバーできます。

またスカウトサービスに登録したからと言って、ひたすら連絡を待つだけでは意味ありません。

必ず自らでも積極的に転職サイトの求人情報をチェックするようにしましょう。

転職サイトも一社だけでなく、複数登録し、チャンスを広げていくようにしましょう。

それが転職の成功につながっていくはずです。