病院などの医療施設では診療科によって看護師の仕事内容が少しずつ異なります。 もちろんどの診療科でも患者と接することに変わりはありませんので、看護師としての業務に差はありません。 ですが仕事量や収入面での違いはあるでしょう。 これ以外にも看護師として経験を積みたい場合や勉強をしたい場合もあるはずです。 どのような診療科が看護師の人気が高いのか、その理由とともに解説しますので、参考にしてください。
治療の効果を特に実感できる整形外科
整形外科は新人看護師にもベテラン看護師にも人気の診療科です。
一般的に各種骨折、椎間板ヘルニア、腰椎圧迫骨折などの疾患を持つ患者が対象になります。整形外科が看護師に人気の最大の理由は、患者の回復を実感しやすいことです。
内科的な疾患や慢性疾患との大きな違いは、患者が「治った」と目の前で喜んでくれる機会が多いことでしょう。
例えば足を骨折していた患者が、手術、リハビリテーションを頑張った結果、歩いて退院できるようになったことを感謝してくれるなどです。看護師としてのやりがいを実感したい人には最適な診療科と言えます。
勉強になる消化器内科
近年では医療技術の進歩により、早期胃がん、大腸がんは上部内視鏡(胃カメラ)、下部内視鏡(大腸ファイバー)などで、切らずに治す内視鏡的治療が中心になっています。
また総胆管結石除去も内視鏡下で可能なものが増えています。
以前なら消化器外科で入院して手術を受けるしかありませんでしたが、近年では消化器内科の領域で治療が可能になっています。そのため医療施設では消化器内科病棟や内視鏡治療センターを独立させて、これらの症例を受け入れるようになっています。
消化器内科に勤務すればこれらの症例に対する知識が身に付くだけでなく、外科的処置が苦手であっても問題ないため、より高度な勉強をしたいと考える看護師に人気があります。
負担の少ない精神科や眼科、耳鼻科、皮膚科など
看護師の仕事はハードです。
一般的には残業が多く、夜勤も頻繁にあるため、体調管理が難しいのが実情です。
しかも急変する可能性のある患者がいると落ち着かないでしょう。そのため、少しでも負担の少ない診療科で働きたいと考える看護師も多くいます。
診療科で言えば、精神科や眼科、耳鼻科、皮膚科などは比較的残業の少ない職場と言えます。また容体が急変する可能性のある患者もいないため、落ち着いて勤務できます。少しでも落ち着いて勤務でき、負担の少ない職場で働きたいと考える看護師には人気があります。
給料が高い美容外科
看護師の資格を持っている以上、その資格を生かして少しでも高い給料がもらえる診療科で働きたいと考えるのは当然のことでしょう。
給与が高い診療科としては美容外科がまず挙げられます。
美容外科の治療では保険の適用外となるため、医療施設の利益も大きくなります。そのため、保険診療を行う診療科の看護師と比較すると、基本給が2倍に設定されているところも見られます。
高い給与設定のために、美容外科の求人には多くの応募が集まりますので、狭き門と言えるでしょう。
病院以外の勤務先として
病院以外の勤務先として看護師に人気があるのが、企業の医務室などです。
企業の就業規則に準じた勤務体制なので、定時の出退勤になり、週休二日がほぼ約束されています。残業もまずありません。
持病のある従業員がいるケースもあるでしょうが、命にかかわる疾病に対応することもまずありません。
精神的に落ち着いて仕事ができ、しかも勤務時間が決まっているため、ストレスを感じる場面は少ないでしょう。家庭を持つ看護師などに特に人気がある職場です。
まとめ
特定の診療科に人気があるのは、はっきりとした理由があります。
人気の有る無しだけでなく、各診療科にはそれぞれ特徴があるはずです。転職を考える際には、何を目標として転職するのかを見定めておくことが重要になります。
これを明確にしないで転職してしまうと、理想と違うことに気付き、また転職を繰り返すことになりかねません。看護師として将来は何を目標にしていくのか、今の自分には何が必要なのかを見定めたうえで転職を考えるようにして下さい。